宝珠山立石寺(山寺)
日本の景色 100選
山形県

山形県 宝珠山立石寺(山寺)
(Houjusan Risshakuji / Yamadera)
貞観2年(860年)に開山した東北を代表する霊山「宝珠山 立石寺(ほうじゅさん りっしゃくじ)」。当時の寺領はお山丸ごとおよそ25㎢、堂塔およそ300と言われる壮大な山寺で、現存するのはその内のおよそ1㎢、堂塔にして30あまり。山と言っても奇岩怪石が連なる岩山で、もっとも高いところにある「奥之院 如法堂」は標高およそ417m、石段にして1,000段以上。途中にある御堂や院などに立ち寄りながら一段一段とのぼっていくと、ふもとの町から遠くの山並みまで一望のもとに見渡せます。そして「 如法堂」の隣りには、高さおよそ5mの金色の阿弥陀如来が安置されている「大仏殿」があり、宗派を問わず供養することもできます。なお本堂は山門入ってすぐの「根本中堂」と呼ばれる御堂で、延文元年(1356年)に再建されたものの日本最古のブナ材建築物とされています。
ベストシーズン
ベストシーズンは雪解け後の春~初夏。または10月下旬~11月上旬の紅葉のシーズン。1,000段以上の石段をのぼるため雪の残る石段には十分ご注意ください。また真夏は熱疲労を起こしやすいため体力に自信のない方は避けた方が無難です。
行き方
最寄り空港は山形空港。宝珠山立石寺(山寺)までは車でおよそ24分。また山形新幹線をご利用の方はJR山形駅で乗り換え、JR山寺駅へ。所要時間はおよそ50分です。
現地の楽しみ方
■せみ塚(Semiduka)と山寺芭蕉記念館(Yamadera Basho Kinenkan)
「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」でおなじみの俳聖「松尾芭蕉」。彼がこの句を詠んだのは、ここ「宝珠山 立石寺」のふもとの宿坊だったと言われています。そしてその句をしたためた短冊が、この「せみ塚」の下に埋められています。また「立石寺」から徒歩10~15分のところには、松尾芭蕉と門人の作品を収蔵・展示する「山寺芭蕉記念館」があります。
■四寺廻廊(しじかいろう)
9世紀に東北地方に円仁(慈覚大師)が開山した4つの寺を廻る巡礼・観光コース。ここ立石寺の他、岩手県平泉の中尊寺(Chusonji)および毛越寺(Motsuji)、宮城県松島の瑞巌寺(Zuganji)の4寺のご朱印がすべて揃うと、結願の印と記念色紙を最後のお寺でいただけます。決められた順番や期間はなく、熱心な方は4周回ってすべての記念色紙を集めると言われています。
■天童温泉(Tendo Onsen)
立石寺から車でおよそ20分のところにある「天童温泉」。およそ2,000本の桜が咲きほこる山形でも有数の桜の名所「天童公園(舞鶴山)」の北側には、旅の疲れを癒すのにぴったりの硫酸塩泉の温泉が湧き出ています。例年4月中旬に行われる「天童桜まつり」では「人間将棋」が話題を呼んでいます。
■蔵王連峰「御釜(おかま)」
秋には紅葉、冬には樹氷で知られる蔵王連峰(Zao Renpo)の中央部でもっとも標高の高いエリアにある火口湖「御釜(Okama)」。つねに淡い緑色の湖水をたたえ、太陽の光に照らされさまざまな彩りを見せてくれることから「五色湖(Goshikiko)」とも呼ばれています。立石寺から車でおよそ1時間15分です。
■ご当地グルメ
1,000段以上の石段を上り下りする立石寺参拝。門前で醤油だしで煮込んだ温かい「力こんにゃく」をいただいてから上りましょう。そして参拝後には薄めの生地の中にたっぷりの餡が詰った「山寺まんじゅう」。ほどよい甘さで疲れも吹き飛びます。
※観光局・お問合せ先
山寺観光協会:023-695-2816