カルカッソンヌ

世界の 美しい街・絶景の街

フランス

 Carcassonne

古代ローマ時代から発達した城塞都市「カルカッソンヌ」。その歴史およそ2,500年。紀元前6世紀に建てられたという古い城塞は今もなお一部が現存し、当時の街並みをうかがい知ることができます。ピレネー山脈のふもと、地中海と大西洋を結ぶ交通の要衝は、ときに軍事的要衝の地となり、たび重なる攻撃の戦火に見舞われ、破壊と修復が繰り返されてきました。

 

しかしこの歴史的建造物を襲う悲劇は戦火ばかりではなく、皮肉にも17世紀半ばに、現在につながるフランス・スペイン間の国境線を定めたピレネー条約が締結され軍事的地位から解放されると、どんなに無残に荒廃しようと二度と顧みられることがなくなったのです。そこで立ち上がったのが、地元の名士ジャン=ピエール・クロ=メイルヴィエイユです。11世紀にその地にあったとされるサン=ナゼール大聖堂の本格的な発掘を行い、建築家ヴィオレ=ル=デュックが実際の修復作業に取り掛かる足掛かりを作りました。

 

そうして今日、とんがり屋根が印象的な城壁の塔が次々と建ち並び、総延長およそ3kmの二重の城壁に囲まれたヨーロッパ最大級の城塞都市「カルカッソンヌ」は蘇りました。ただもともとの塔の屋根は、タイルづくりの平らなもの。これが手違いなのか、デュックの意図的なデザインなのかはもはや知る人はいません。それでも世界遺産登録後は、フランス国内ではモン・サン=ミシェルに次ぐ年間来訪者数を誇る一大観光名所となっています。

行き方

最寄り空港は、カルカッソンヌ空港。日本からの直行便はなく、パリまたはヨーロッパの各都市で乗り継ぎ。パリからは電車でおよそ5時間~。

ベストシーズン

ベストシーズンは5~10月。夏季はかなり日差しが強く、急激な天候の変化が起こりやすい土地柄ですので、雨具や長袖があると安心です。

現地の楽しみ方

■カルカッソンヌの城「コンタル城」

城壁が何重にも取り囲むシテと呼ばれる旧市街のほぼ中心にあり、12世紀に建てられた歴代カルカッソンヌ伯爵の城館。居城というよりは要塞で、監視塔や石落としなど敵の侵入に備えた設備が随所に残っています。小高い丘の上に建つため、ところどころからカルカッソンヌの街が一望できます。城内にはローマ時代の碑銘や中世の美術品などが展示されている歴史博物館もあります。

■カルカッソンヌ修復に導いた「サン・ナゼール大聖堂」

カルカッソンヌの城塞内にあり、11~13世紀にかけて建設されたローマ・バジリカ式聖堂「サン・ナゼール大聖堂」。外観や正面はロマネスク様式ですが、内装はゴシック様式。正面入り口のガーゴイルなど、随所に独特で巧緻な装飾が施されています。12~14世紀にかけてつくられたとされるステンドグラスは、南仏で見られるものの中で最も美しいと言われており、必見です。

■旧市街シテを東から守る「ナルボンヌ門」

12世紀に築かれた城門で、その威圧的で重厚な外観が当時の戦争の激しさを物語っています。シテの城壁内に入るには、この東側のナルボンヌ門もしくは西側のオード門のみ。「コンタル城」に行くには西側のオード門から入った方が便利です。

■カルカッソンヌの城外の下町「バスティード・サン・ルイ」

アラゴン王国とフランスとの国境紛争につねに巻き込まれていた「カルカッソンヌ」。時のフランス王ルイ9世は、第二の城塞をつくりコンタル城と旧市街シテに暮らす人々を守ろうと画策しました。その際にできた市民の居住区が「バスティード・サン・ルイ」。14世紀に始まった100年戦争の際に大部分は破壊されてしまいましたが、17世紀には世界的なラシャ製造の中心地となり、大いに栄えました。現在でも、中世の城壁の一部や17~18世紀の繁栄を物語る美しい邸宅や教会などを見ることが出来ます。

■国王ルイ14世による国家プロジェクト「ミディ運河」

17世紀に「バスティード・サン・ルイ」近くに建設された、太平洋と地中海を結ぶ全長およそ240kmの人工水路「ミディ運河」。当時大西洋から地中海にものを運ぶには、イベリア半島をぐるっと大回りしなければならなかった上、スペインにジブラルタル海峡の通行税を支払わなければならなりませんでした。理由はどうあれ、完成後の運河沿いの地区の流通は盛んになり、ボルドーやサンテミリオン、ラングドック地方のワインは飛躍的に生産量を伸ばしました。19世紀に鉄道が開通し、輸送ルートの主役の座から降りましたが、現在でもこの運河クルーズは観光客に人気のアクティビティとなっています。