キャンドバーン

世界の 美しい街・絶景の街

イラン

Candovan

イラン西部の火山「サハンド山(標高3,707m)」のふもとで暮らすカシュガイ族の村「キャンドバーン」。遊牧民を祖先に持ち、この地に落ち着いたのがおよそ700年前。サハンド山から流れ出た溶岩が、自然の風化や浸食のなすがままに、まるで華道の剣山のような姿に変えて立ち並ぶその土地をなぜ選んだのか。その子孫たちは、今もなお彼らの祖先が築いた岩山をくり抜いた家に暮らしています。

家はもともとの岩山の洞窟に合わせて大体2~4階建て。そこに岩を削ったり、積み上げたりしてドアや窓、棚、階段などがつくられています。意外にもこの家は断熱効果の高い岩でできているため、年間を通して室温が安定しており、冬は温かく夏は涼しくて快適なんだとか。イランを代表する指折りの観光名所となった現在、住居や彼らの飼う動物小屋の他、ホテルもあり貴重な体験ができます。

行き方

最寄り空港は、タブリーズ空港。日本からの直行便はなく、イスタンブールやドバイ、ドーハ、またはヨーロッパ各都市で乗り継ぎ。タブリーズからキャンドバーンまでは車でおよそ1時間。

ベストシーズン

ベストシーズンは、気候が穏やかな3月後半~5月、または10~11月。夏季は湿度が高く40度を越える日もあるので、あまりおすすめしません。また冬季は日によって雪も降り、非常に寒くなります。

現地の楽しみ方

■世界最古の歴史的商業都市「タブリーズ」

キャンドバーンの旅の拠点「タブリーズ(Tabrīz)」は、イラン第4位の人口を誇る東アゼルバイジャン州の州都。3世紀のサーサーン朝までさかのぼることができ、イラン国内においても非常に長い歴史を持つ地域です。古くから交易の交差路として立ってきたバザールは、中東はもとより世界最古の歴史的商業施設として、世界遺産に登録されています。金や宝石などを扱うアミール・バザールや、ペルシャ絨毯を扱うモッザファリーエ・バザールなどさまざまな物品を取り扱う複数のバザール施設が複合して構成されているのが特徴。

■アルゲタブリーズ(Arg-e Tabrīz)

13世紀後半、当時勢いが増したモンゴル帝国の構成国イルハン国が建設され、その首都がタブリーズに置かれました。その第4代君主アルグンは、街を守るために高さおよそ30mの城壁をつくりました。たび重なる地震などによって倒壊し、現在は壁の一部が残っているに過ぎませんが、タブリーズの市街中心部で見ることができます。

■マスジェデ・カブード(ブルー・モスク)

14世紀後半に建てられたイスラム系遊牧国家カラ・コユンル国の黒羊朝(こくようちょう)もまた、ここタブリーズに首都を定めました。そして15世紀半ばにタブリーズの市街中心部にイスラム寺院を建設。内部は青を基調とするタイルで装飾され、「ブルーモスク」とも呼ばれます。やはりたび重なる地震などにより美しかったブルータイルの大部分がはげ落ちてしまいましたが、当時をしのぶ歴史的遺産として今も存在しています。

■紀元前の宝物が見られる「アゼルバイジャン博物館」

「ブルーモスク」の隣りにある「アゼルバイジャン博物館」には、主にアゼルバイジャンに関連する民俗学や考古学的に展示物が豊富にあり、見ごたえがあります。記録にのこる最古の王朝・サーサーン朝時代のものと見られる銀製のプレートも展示されていましたが、現在は盗難に遭い行方不明中だとか。目玉は紀元前を遡る展示物で、多くの人々の関心を集めています。

■最も美しいイルハン朝モニュメント「ソルタニエドーム」

キャンドバーンからおよそ3時間のザンジャンの街には、現存するイルハン朝のモニュメントの中で最も美しいと言われる「ソルタニエドーム」があります。レンガ造りの8角形の塔の上に、大きなドームと8本のミナレットが立つこの地域独特の建築様式で、世界遺産に登録されています。現在修復が進んでいますが、そのためのブルータイルの青色を出すのが困難を極めているようです。